• 心技体の心に焦点を合わせたソフトテニス論を読んで、ステップアップしよう!!!!

     普通は相手が打ったボールを目で捕らえて追いかけているのではないかと思うが、目でボールを追いながら打ち返せばいいのかというとそうではなく、目でボールを捕らえ、そのボールがどこに来るかをいち早く判断(予測と言われるのをよく聞くが、あまり好きな言い方ではない。理由は「番外編」に書くので、そちらを読んでください)して、いち早く自分の打点にはいらなければならない。
     さてここまで読んでみなさんは「打ったボールがどこに来るかをいち早く判断するなんて、そんなの当たり前じゃん」と思ったのではないだろうか。そう、ここまでは当たり前。でも私がここで伝えたい事は違う。では何か。それは、「打つ前にボールがどこに来るかを判断できるようになる。」という事である。
     「そんな事ができるのか?」 できます。おそらく誰にでも。ただし、相手が打つ瞬間よりどれぐらい前の時点で判断できるようになるかは個人により差があるだろう。でも意識しないと絶対に体得できない。または効率よく体得できないだろう。
     では、どうすればいいか。私は後衛なので、後衛について言えば、基本ボレーやランニングボレーやスマッシュの練習を前衛がしていたら、ボールがラケットに当たる瞬間のラケット面に注目してよく見てほしい。ラケット面は正直だ。絶対にボールが飛んで行く方向に向いている。まぁ、フレームショットは別ですが。これは無視しよう。ボールがラケットに当たる直前にラケット面は見える。それで方向はわかるはずである。
     次に相手の後衛が打つボールについて書こう。ラケット面は打つ瞬間に決まる。という事はそれよりももっと早い時点でどこに打つかを判断するのは無理では? と思われるかもしれない。しかし、相手に向って飛んで行くボールの速さと相手の構えとそのボールに対するラケットの振り出し開始のタイミングを見極めればラケットのインパクトの瞬間を待つまでもなくボールの飛んで行く方向は判断できる。
     ただし、速いボールの話であり、ロブなどはぎりぎりでコースを変える事は可能である。しかし速いボールに合わせて判断しておけば、遅いボールに対しては対応できる。やはり相手の最も速いボールをいかに打ち返すか。しかもただ打ち返すだけではない。いち早く自分の打点に入り攻めるボールを打てるかがポイントである。
     でもそこまでしても何秒、いやゼロコンマ何秒と違わないんじゃぁ~ないの? と思われるかもしれない。確かにそうである。ゼロコンマゼロ何秒の世界かもしれない。
     でも仮に0.1秒早く判断できるとしよう。ゼロコンマ1秒でどれほど違うか? オリンピックの男子100mの選手が10秒で走った場合、約1m進む時間である。でもソフトテニスの場合静止した状態から走り出すから1mにはならないだろう。ましてや100mを10秒で走れる人などほとんどいない。でも100mを20秒以内ならほとんどの人が走れるだろう。20秒で走れるとすると0.1秒で約50cm進める。つまり今よりはラケット半分ぐらい先のボールまで追いつけるという事だ。試合中何本かぎりぎりで届かないという事を何度となく経験していると思うが、それらのボールに追いつけるという事だ。
     さて、ただ追いつけるというだけだろうか。効果はもっと違うところに現れてくる。追いつけるようになっても相手にチャンスボールを返すのがやっとで、結局相手のポイントになってしまうかもしれない。しかしである。相手が決まったと思ったボールを拾ったとなると、それ以降の相手の気持ちが変わってくる。もっときびしいボールを打たないといけないと。そうなればしめたもの。相手は余計な力が入り、ミスにつながる可能性がでてくるからである。
     このように波及効果となって思わぬポイントを得られるようになるかもしれないのである。逆に言えば、自分が打つ時はいかに相手にどこに打つかがわからない、または相手が判断できるポイントをいかに後にできるかが重要という事になる。
     後衛の事を書いてきたが、前衛も同じである。相手の打つコースをいち早く正確に判断さえできれば、いち早くポジションを取れて、こんなに楽な事はない。
     このように前衛も後衛も相手が打つ時をよく観察して、どれだけ早い時点で打つコースを判断できるようになるかがポイントだと思う。
     その訓練を意識して試してみてほしい。

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